スランプになる原因

指導現場でよく耳にするのが、新しい技術を導入した際に、調子が悪くなり、元に戻らなくなってしまうというものがあります。

調子が悪くなる原因として考えられるのは、新しい技術を習得するときに、自動化した適切なスキルを一旦、構造的スキルの習得に戻さなくてはならず、それによって近位遠位連鎖の逆転現象(手先足先の動きになってしまう)が起こるためだと思います。

また、調子が元に戻らなくなってしまう理由としては、適切な構造的スキル(身体の外見上の形)を自動化した後も、機能的スキル(身体の内面的な使い方)へ移行せずに、構造的スキルの練習をそのまま続けてしまうことが考えられます。

スランプの予防法

スランプを予防するには、新しい技術を導入するときに技術練習に費やせる時間を確認し、適切なスキルの自動化までにどれくらいの期間が必要なのかを割り出します。

構造的スキルの習得段階では、新たな形を身体に覚え込ませるために、手先足先の動かし方になってしまうことを理解(一時的にパフォーマンスは低下する)したうえで技術練習を行っていきます。

適切な構造的スキルが見つかったら身体が覚えるまで練習を行います。
そして、自動化できているかどうかを定期的にチェックし、自動化したら機能的スキルの習得へと切り替えていきます。
その後、適切な機能的スキルを自動化した時点で、技術練習は終了となります。

練習の効率化

技術練習を構造的段階と機能的段階へと分けて考えることで無駄な練習がなくなり、新しい技術を効率的に習得することが可能になります。

スランプに陥った選手が、最終的に行き着く答えとして「何も考えない」や「初心に帰る」といったことを口にしますが、これは無意識な状態をつくることによって自動化したスキルに戻るということを意味します。

アスリートの目的達成に向けたトレーニングについてご興味ある方は投稿記事「パーソナルトレーニングにおける効率について考える」もご一読ください。

引用・参考文献

1)齊藤登. 月刊トレーニングジャーナル2011年1月号 パーソナルトレーニングにおける効率. ブックハウスHD. 2011.

この記事を書いた人

パーソナルトレーナー齊藤登

トータルフィットネスサポート代表
齊藤 登

2004年に栃木県宇都宮市にて有限会社トータルフィットネスサポートを設立しパーソナルトレーニング、国民体育大会の帯同トレーナー、医療機関での運動指導、スポーツや医療系専門学校の講師、運動や健康づくりに関するセミナーの開催などを中心に活動している。

NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)ジャパン北関東地域ディレクターとして、日本におけるストレングス&コンディショニングの普及およびスポーツと健康に携わる専門職の育成にも力を入れている。

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